仏教の世界には仏さまたちだけでなく、いろんな動物たちがいます。中には知っている姿の生き物もいれば、見たことのない不思議な姿の生き物も…… 今回はそんな動物たちを、楽しみながら学ぶことができるピンバッジコレクションにしましたので、デザインとともに、みほとけ世界の動物の不思議さを見ていきましょう! ライオン?狛犬?いいえ「獅子」です神社で見かける狛犬のようなこの動物、仏像と一緒に表現されているのなら、おそらくそれは「獅子」でしょう。仏教の世界では神獣として扱われる動物です。有名なところでは、文殊菩薩が乗っている姿で登場しています。 真理を説いて邪説を喝破する仏の説法を獅子吼(ししく)とよぶこともありますが、それほど獅子の吠える声は特別なのでしょうね。 美しい尾羽にうっとり……「孔雀」孔雀といえば、現実世界にもいるあの孔雀です。仏教世界では特別な鳥として扱われていて「阿弥陀経」とよばれるお経の中で「浄土の六鳥」に数えられています。孔雀は毒蛇を食べることから、この世のあらゆる毒を制するといわれていて、孔雀明王を背に乗せていることでも有名です。 余談ですが、ギリシア神話では100の目を持つアルゴスという巨人を女神ヘラが孔雀の尾羽にしたというエピソードがあります。文化を問わず孔雀は人々を魅了しているのですね。 六本牙の特別な「象」象は仏教で外すことのできない動物のひとつです。お釈迦さまが生まれる際、白象がマーヤー夫人のからだに入ってきたというお話から始まり、帝釈天が座す動物としても有名です。よく見ると牙が六本生えていたりと、少し私たちの知っている象と違う部分もありそうです。 4月8日のお釈迦さまの誕生日「花まつり」では全国の寺院で大小さまざまな白象の出し物が見られます。 アヒルじゃないよ「鵞鳥」鵞鳥(がちょう)も仏教世界において特別な動物として語られています。例えば梵天との関係はとても深く、 梵天のもととなった古代インドの神「ブラフマー」が鵞鳥に似た神獣「ハンサ鳥」に乗っていると伝わっています。 ちなみに、鵞鳥ってくちばしと舌の上に歯のような棘があるって知ってましたか? 古より伝わる神聖な動物「牛」牛は仏教世界で重要な動物として扱われています。例えば悟りにいたる十段階を図と詩で表す「十牛図」や、大威徳明王という仏さまが乗るのもこの牛です。古代インドの神さまたちも牛との関係性は特別なものとして伝わっています。 ちなみにお釈迦さまの本名である「ゴータマ」とは、「最上の牛」という意味があるのだそうです。 天上の美しい歌声「迦陵頻伽」おそらく、この「迦陵頻伽(かりょうびんが)」が一番馴染みのない生き物ではないでしょうか。上半身が人、下半身が鳥の仏教における想像上の生物なのですが、孔雀とともに「阿弥陀経」で浄土の六鳥に数えられ、非常に美しい歌声なのだとされています。仏教行事の舞楽は迦陵頻伽の舞を表現しているのだそう。 おもしろいことに、ギリシア神話に出てくるセイレーンとその姿や美しい歌声ということまで似ています。 お好みの場所に付けて楽しんで好きなところに付けて楽しめるのは、ピンバッジならでは。帽子やカバンに付けるのもよしです。 コレクションアイテムとして台紙のままディスプレイするのもよいですね。 デザインしたのはデザイナー/ホトケ女子の安達えみさん。
仏さまに対する信仰やお寺の"中の人"の思いを第一に、その魅力をデザインやガイドなどを通じてお寺と人とのつなぎ役的な活動をされています。 安達えみさんの活動は「塗仏観光」ホームページからチェックできます。 |
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