聖林寺とは聖林寺は奈良桜井の多武峰(とうのみね)街道の入り口にあたる場所に建立された真言宗室生寺派の寺院。 境内からは三輪山や箸墓古墳をはじめとする大和盆地を望むことができて、この風景が本当に美しいのです。もしみなさまがお参りに行かれて本堂からこの景色を眺めると、遥か昔この地にあったであろう風景に想いを馳せてしまうことでしょう。 聖林寺は藤原鎌足の長子定慧(じょうえ)の創建と伝えられていて、江戸時代に入ると文春和尚によって現在の本尊・子安延命地蔵菩薩像が安置されました。丈六サイズ(一丈六尺=約五メートル)もあるお地蔵様は対面した際の安心感も格別です。 本堂左手奥よりお堂を抜けるとコンクリート製の渡り階段があり、そこを上がった先の観音堂に国宝十一面観音菩薩立像が安置されています。今回のクラウドファンディングは、この観音堂の改修工事のために立ち上げられました。 こちらの観音堂、頑丈そうなコンクリート造りですが、実はかなり古いもので老朽化が進んでいる様子。それもそのはず、こちらの観音堂は、昭和34年(1959)に造られた、日本で初めてのコンクリートによる国宝のための観音堂なのだそう。趣はあるのですが、大型の地震災害も想定される昨今、今の状態を決して無視することはできません。 現代の大勧進はクラウドファンディングへ 国宝となっている仏像だから、国からの補助が出ているはず。そう思われるかもしれません。確かに国から補助は出ますが、国宝レベルの仏像を維持するために必要な金額を考えると頼りきれる額ではありません。 昨今、大型の地震が日本列島を襲っていることからも不安は大きく、早急に免震・耐震性のある観音堂が望まれるため、新たな観音堂の建設を計画しています。 一日も早く膨大な改修事業費用のほぼ全額をお寺が工面する必要があるということで、今回のクラウドファンディングを立ち上げられました。 次の世代に観音様を残すお寺には古くから勧進(かんじん)というものがあり、仏像や仏堂の建立や修復のために信者に寄進を募ったりしました。お寺という場所が生活者の共有の場所であり、その場所をよくしようということで必要な金額をみんなで集めるというシステムはまさに現代におけるクラウドファンディングです。 いかがでしたでしょうか。
聖林寺に行ったことがある人も、まだ行ったことはないけれど、国宝十一面観音菩薩を一度は見てみたいと思っている人も、このクラウドファンディングは滅多にないご縁の結び方なのかもしれません。 聖林寺 観音堂改修クラウドファンディングは2020年12月24日まで開催しています。 奈良・聖林寺|国宝 十一面観音、観音堂改修のためのご支援を(READY FOR) |
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